以前、ヤマケイで「私の持ち物」として「シーブリーズ」（薬用ローション）を挙げていた人がいました。「ははーん」と思いました。私の非常用パックにも入れてあります。職場にも置いてあります。最大の目的は、体臭の予防です。

私は、ワキガ体質です。自分でもクサイのですから、周囲の人はなおさらでしょう。ですから、夏は大変気を使います。朝、まずシーブリーズをわきの下にシュッとひと吹き。昼休みにはシャツを換え、またひと吹き。夕方にまたひと吹き。家に帰るとまた着替え。薬屋には体臭予防用品が並んでいますが、効果はせいぜい半日です。

困るのは夏山縦走です（あつたに入ってから、やってませんが）。１日歩くと、クサイの何のって…。５泊６日ともなると、着替えを最低５枚持つことになります。帰りが列車だったりすると、車内用にもう１枚必要です。このカサがバカになりません。ちなみに、新素材は汗だけでなくニオイもよく放出するようです。

思い余って昨年12月に手術をしました。美容整形外科で、ワキの下を切開して汗腺と毛根を削り取ってしまうのです。保険はききません。30万円でした。手術は２時間くらい。麻酔を使うのでどうということもなく、終わったら歩いて帰れます。大変なのは、その後の生活でした。１週間はワキの下を圧迫固定するので、ひじが両方動かせません。仕事はもちろん、日常生活すら、ままなりません。風呂なんてとんでもありません。夜は寝返りができない上、痛くてなかなか寝られません。普通に生活できるようになるまで、１か月かかりました。私はワキ毛の面積が広いとかで、普通より長かったようです。

…で、現在は次のような状態です。

　ワキ毛がほとんどない。
　ワキからの汗とニオイがない。１日着替えなくてもクサくない。
　ワキの下に大きな傷跡が残っている。

他人におすすめはしませんが、私はやって良かったと思っています。これで一生、体臭の心配をしなくてすみます。寝たきりになっても、大丈夫なのです！
（1997年4月）

【その後の経過】
手術をしてから４年半たちました。現在は、こんな具合です。

　手術をした場所のまわりに、細いワキ毛がちょろちょろ生えている（ときどき切ってます）。
　ワキからの汗はほとんどないが、今年になって少しニオイが出てきた。１日着替えないと、ちょっとクサい。
　傷跡は目立たなくなってきた。それでも「ほら」と言って見せると、たじろぐ人もいる。

どうも「一生体臭の心配をしなくてすむ」というのは、喜びすぎだったようで(^^;)。
ま、でも「やって良かった」とは思ってます(^^)。
(2001年8月）