●また観察してしまいました
あつた勤労者山岳会は「初級登山学校」を開講している。ユーレイ会員の私に「スタッフとして参加せよ」という連絡があったので、罪滅ぼしに行かせていただいた。

会員Ｓ．Ｉさんの後ろで歩き方を見る機会があった。それは、以前見たＡさんの歩きやＳさんの歩きとよく似ていた。見事だった。ＡさんやＳさんは腕組みをして歩いていたが、Ｓ．Ｉさんの場合はウエストベルトに手を置いて歩くことが多かった。加えて、Ｓ．Ｉさんは休憩の時もほとんどザックを下ろさない。他の会員が飲んだり食べたりしているというのに、ザックを下ろさず立ったまま休憩していた。感心した。何もかもカッコ良かった。

会員Ｋ．Ｓさんの後ろを歩く機会もあった。Ｋ．Ｓさんの歩き方は、足の置き方に特徴がある。私は、ルートを読んで最短距離を滑らかに歩こうとしている。しかし、Ｋ．Ｓさんは違う。回り道ができる場合、必ずそちらを歩く。したがって、大股になることがない。常に足音が小さい。あれならば、脚にかかる負担は小さいだろう。

足音が小さいというのは、Ｓ．Ｉさんも同じだった。このお二人を見ていると「人柄が歩き方に出るのかな」と思う。Ｓ．Ｉさんは、山行中にムダ口をたたかない。歩き方もこれと同じで、ムダがない。山道を歩いているというのに、上半身がいつもすっと立っていて、ムダな動きが少ない。Ｋ．Ｓさんは、ご存知の通り常に穏やかだ。相手にも無理をさせない。こうした普段の言動そのままの歩き方だった。

登山学校の生徒さんは、このお二人の歩き方から何を学んだのだろうか？順番にこの二人の後ろを歩かせた方が良かったのではないだろうか。私はこの日、生徒さんよりも多くのことを学んだと思っている。

●バスにも感激
この日は、名鉄バスセンターから御在所まで直行バスに乗った。初めて乗ったが、実に快適だった。現地までぐっすり眠ることができた。しかも、近鉄湯ノ山温泉駅よりもずっと上まで行ってくれる。帰りもまた、ぐっすり眠った。登山学校でなければ、その前にビールを飲んでいただろう。

おまけにバスセンターからは、私の自宅近くまでのバスも出ている。地下鉄と市バスを乗り継ぐよりもずっと快適で速く、料金は大差ない。個人山行でもぜひ使いたいなと思った。この日の思わぬ収穫だった。

登山学校に召集していただいたおかげで、いろいろな収穫があった。写真のような新緑と花を楽しむこともできた。登山学校に関わる全ての方にお礼を申し上げたい。どうもありがとうございました。